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Channel: QLife社長山内善行ブログ「Qオリティ・オブ・Life」 »日本
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患者不満のNo1=「待ち時間」を少しでも解消する方法

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「医療機関に予約システムが広まらない理由」をご存じでしょうか?「待ち時間」は患者不満のNo1です、ニーズはあります。ところが数々のITベンチャーが挑んできたのにほとんど成功していません。

あまり言いたくありませんが、やはりそこには「医療の特殊性」があります。
現場オペレーション上の障壁。経営上の必要性の低さ。

前者は「患者によってかかる時間が違い過ぎてヨミが出来ない」「保険診療ではキャンセル料徴収が成立しない」等で、後者は「飲食店と違い流行反動がないので長行列のデメリットがない」「満足度が高い客ほど多くを買ってくれるわけでなく、収益は患者回転数に強く依存する分野が多い」等です。

でも最大の理由は、カルチャーです。

どういうことかというと「予約システム」うんぬんの前に「予約制度」自体が否定されているのです。もっと言うと「予約は、医療者としてやってはいけないこと、悪いこと」と考える医師さえ珍しくありません。

日本の医療を支えてきた2大特徴は「皆保険」と「フリーアクセス」です。フリーアクセスとは、自分が行きたい医療機関を自由に選べる、という制度です。”どこで治療を受けても費用(自己負担金額)は同じだよ、何かあったら安心して医者に駆け込みなさい”と言ってくれる国は、世界中にほとんどありません。社会主義国は別として。

多くの医療者が、この社会基盤を支えてきたことに誇りを持っています。(そのため、逆に「クレーマー患者やヤクザ患者が来ても、オレは治療拒否できない」と過剰に心配する医師も多い)

地域住民の健康守護神としては、「近隣の患者がスグ受診しやすい」「救急患者が来たら繰り上げ対応する」体制を維持することが大事です。その患者が急を要するか命にかかわるかは診てみないとわからないので、「すみませんねえ、完全予約制なんで、他に行ってください」と院内に入れないやつは医者の風上にも置けないというわけです。

勿論、いまは違う考え方をする医師も多いですが、少なくとも医療制度の根っこにこのカルチャーがある(もっと言うとプライドがある)限りは、、、、「新しい取り組みをするモチベーション」は沸きませんよね。特に患者数が安定しているクリニックだと、もういいや、新たなチャレンジは治療内容だけで充分だよ、となりがちです。だから予約制度が広まらないのです。
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・・・そんな背景・理由があるにせよ、「長時間待ち」を放置して良いのか、というとそうじゃありません。

悪いことであることは確か。「病院の待ち時間が長すぎて症状が悪化した」もよくある話です。じゃあ、予約システム以外に「長時間待ち」を解決する方法はあるのか?

これに対する答えとして、QLifeは病院検索サイト上に「比較的空いている時間帯」「科目別の混み具合状況、予約の取りやすさ」など混雑情報の掲載を開始しました!

正直言ってまだ威張れるものではありません。
情報が載っているのは5千程度の病院ですし、1病院あたりの情報も少な過ぎます。「統計的に信用できるデータ」になるには現在の10-100倍程度の量が必要です。まだあまり役に立ちません。

でもね、なかには「医療機関自身から直接提供された情報」もあります。病院経営上も、患者数を平準化できるメリットは大きいからです。これはかなり信頼できる。

さらには、曜日と時間帯の視点だけでなく、「毎月の第2、4週が混む(2週間処方が多いため)」「院長先生以外の医師を指名すると早い、継続薬をもらうだけなら」といった個別の内容もあります。これらは、現状でも充分に役に立つ情報です!

⇒ぜひ上手に活用してくださいっ。

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